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「生きる力」を育む療育

・発達障害児の40~80%がいじめ被害者。

・発達障害者の8割は離職するか、そもそも就職できない。

 就職できる発達障害者はわずか25%、うち15%は1年以内に離職してしまう

 

この現実に、どう立ち向かうのか。

目まぐるしいスピードで変化する社会を生きる子どもたちに求められているのは、変化に対応し「続ける」力、困難・逆境に負けず、挫折を乗り越え、課題を解決し「続ける」力、そして人生を楽しみ「続ける」力です。

[1]学力の基礎

戦後の詰め込み教育からゆとり教育、そして脱・ゆとり教育へ。教育行政の変遷に見てとれるように、基礎学力の重要性については、すでに国民的コンセンサスが得られています。しかし、残念ながら障害児に対しては、「障害があるんだから、無理して勉強しなくていい」「毎日笑って暮らせればそれでいい」と、最初から諦めてはばからない、悪意なき支援者が多いのも現実です。

勉強なんてしなくても、毎日心から笑って暮らせるのであれば、確かにそれでいいのかもしれません。でも、先生の話がまるで分らないのに、不安になりもせず、授業の間じゅう笑って過ごせるものでしょうか。仮に今日は笑っていられたとして、明日も、明後日も、5年後も20年後も、社会の中でずっと笑っていられるのでしょうか。はたしてその笑顔は、「生きる喜び」と呼ぶにふさわしい幸せがもたらしたものなのでしょうか。

たとえば、有名な『幸福論』を著したスイスの法学者・カール・ヒルティは、「人を幸福にするのは労作と成功の喜び」であり、「人生で最大の不幸は、仕事を持てないこと」と説きました。私たちも、「生きる喜び」は、ただ楽しいことをするだけで味わえるものではないと考えます。昨日よりも今日、今日よりも明日、ひとつでも多くできることを増やしていこうとする営みのなかで、子どもたちに誰かの役にたてる喜びを感じてほしいと願っています。

ひとりひとりに合う「方法」をさがします

 

私たちは、教科学習がうまく進まないのは、「方法が違っている」か「練習が足りない」と考えます。「これがダメならそれ」「それがダメならあれ」・・・試行錯誤=トライアル・アンド・エラーを繰り返し、ひとりひとりに合う方法をさがしていきます。

 

良い方法がすぐに見つかることもあれば、残念ながら、時間がかかることもあります。「あの方法はいまひとつでした」「この方法は違ったようです」と報告させていただくとき、保護者の方のがっかりしたお顔を拝見することがあります。でも、考えてみてほしいのです。どの方法が合うのか全くわからない、雲をつかむような状態だったところから、少なくとも「あれ」と「これ」は違うとわかったのですから、実は大きな前進なのです。次は「あれ」でも「これ」でもない方法でチャレンジを繰り返すことで、成功確率は確実に上がってゆくのです。

「エラー」は「失敗」ではありません。チャレンジした結果に「失敗」などありません。小さな一歩だったか大きな一歩だったかの違いがあるだけで、どのチャレンジも、すべて等しく「成功」に向かっていることに変わりはないのです。

「基礎学力」の前に、まず「学力の基礎」
 

私たちの事業所を訪ねてくる子どもたちの多くは、見たり、聞いたり、覚えたり、想像したりする力に少なからず困難を抱えています。例えば、ものを見る力の弱さは、文字の読み飛ばしや逐次読み・勝手読みなど「読む」力の問題、漢字が覚えられなかったり黒板の文字をノートに書き写すことができない「書く」力の問題、つまり、学力面の困難に直結しています。情報を正確に把握できないと、コミュニケーションエラーが起こりやすいため、人間関係や社会性の問題にも発展していきますし、もちろん、動体視力・周辺視・深視力・集中力が問われる運動能力にも影響します。

そこで、チャレンジ・キッズでは、生きる力の土台となる「基礎学力」をさらに下支えする、「学力の基礎」ともいうべき構成要素に着目し、トレーニングするプログラムを提供しています。特に視覚関連基礎スキルや読解能力については、定期的に検査・アセスメントし、弱点やトレーニングの効果についてフィードバックすることが可能です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[2]ソーシャルスキル

ソーシャルスキルとは、他者と良好な関係を築き、維持していく技術です。脳の中枢神経系の機能障害を抱える子どもたちは、情報処理過程につまずきがあり、感情コントロールにも問題を抱えがちです。そのため、対人関係がうまく結べず、社会的場面への参加も少なくなる傾向にあり、ソーシャルスキルの学び損ないが起きやすくなります。ソーシャルスキルの学び損ないは、社会的場面への参加を縮小させ、さらに学び損ないが拡大されるという、負の連鎖がみられます。

そこで、あらかじめ

①ルールを守る

②人の話を注意して聞く
③相手にわかるように伝える
④自分の気持ちをコントロールする

といった、「人付き合いのスキル」を、具体的に教え、練習を積み重ねていく必要が生じます。

また近年は、スマホやゲーム依存、SNSトラブルも大きな問題になっています。ネット上の情報の正確性をジャッジし、取捨選択する方法、電子商取引に正しく対処する方法、利用料金や時間に自制心を発揮すること、プライバシー保護やセキュリティ対策の講じ方についても、系統だてて学ぶ機会が必要です。

チャレンジ・キッズでは、構成的SST(あらかじめ具体的なテーマを設定し、学ぶ)と、非構成的SST(指導者や友達とのかかわりのなかで学ぶ)をおりまぜて、応用行動分析学に基づいて個別・集団で支援しています。

心の理論

 

社会生活に必要な、他人の考えや感情を理解すること、情報から推察する能力を「Theory of Mind(心の理論)」と呼びます。
「仲間はずれにされる子」「独りよがりの子」「周りの人の言動をうまくキャッチできない子」のなかには、心の理論に遅れがみられる場合があります。ご希望の方には、心の理論検査を行うことができます。

[3]フィナンシャルリテラシー

フィナンシャルリテラシーとは、「お金について理解し、適切に意思決定し行動する」スキルのことです。残念ながら日本では義務教育でカバーされておらず、米国の有力格付け会社(S&P)の2015年の調査においても、「日本国民の半数以上はフィナンシャルリテラシーがない」という、残念な結果が示されました。当然、先進7か国の中でも下位に甘んじています。

 

日本には、かつて定期預金の金利が10%を超えた時代がありました。そんな時代のお金の知識は、「できるだけ銀行か郵便局に預ける」程度で十分でした。何しろ、7年と数か月預けておくだけで、倍になったのですから!

しかしいま、定期預金の金利はメガバンクで0.002%くらいです。1,000万円預けても、利息は1年でたったの200円。10年預けても、わずか2,000円しか増えません。おまけに、そこから税金まで引かれます。もう「銀行か郵便局に預けていれば安心」とはいかなくなったのです。

自分らしく、楽しく生きるのにどれほどのお金が必要で、どうすればそのお金を得、資産として守っていくことができるのか。チャレンジ・キッズでは、日々の療育やゲームを通じて社会におけるお金の流れを実践的に学んでいきます。また、現役の投資家や元銀行員、フィナンシャルプランナーからも、生きたお金の知識を学ぶことができます。

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